げーとの思考

映画、本、音楽、思考に関する雑記中心のブログ

【パターソン】と日常の小さな変化

日々の生活の中の小さな幸せや楽しみをきちんと噛み締めようと思える映画。

あらすじ

パターソンという街に住むバス運転手のパターソンと妻ローラと愛犬のマービンの本当に何気ない日常を描いた7日間の物語。

感想

何気ない本当に何気ない日常。
これを映画として成立させてるのが凄いなと思った。
非日常的な体験のはずの映画の中の日常っていうのがなんとも。
主人公たちも休日の少し特別な非日常に映画を観に行ってるのに、この映画を観てる視聴者は日常を観させられてるみたいな図式は面白いなーと思ったり。

こういう生活ともっと色々起こるような生活自分はどっちが好きかなーと考えてしまう。

「幸せとは何か」を考えるきっかけになったって感想もよく見かけたのでそういう楽しみ方もあるのかもしれない。あとは癒されたといった意見もよく見かけた。大きな出来事が起こらないからこそ、こういう映画の楽しみ方は難しいが、そういう視点で見てみると面白いのかもしれない。

岡田斗司夫的にいうと葬送のフリーレンのようなロードラマ的な見方が良いのかもしれません。


何回か見返すと色々発見ありそうなスルメ系の雰囲気も感じました。

白黒と双子、主人公夫婦の隠と陽の性格の辺りが象徴的なメタファーとして出てくるけど、両極端なもの、似て非なるものに溢れて囲まれてるパターソンの世界観だからこそ、その中で唯一中間的で極端な事が起こらない"主人公夫婦の生活"が際立つような。

ただ主人公夫婦も完全に正反対ではなく、両者ともに表現者であることは共通してて似てるところなんだなーと。


大多数の日々の生活は、大きな変化は起こらず基本的にルーティンの繰り返しだけど、同じ毎日は二度と来ない。でも、そんな毎日の中にも小さな幸せや小さな変化はあって人生は素晴らしい。そんな事に気付かせてくれたり、再確認できる、そんな映画だと思いました。